店番しながら ギリシャの旅

  • 2020.03.06 Friday
  • 16:50

2016年、テレビで、「世界遺産で神話を舞う」という番組を観ました。
アテネ・エピダウロスフェスティバルの60周年ということで、
世界最古の劇場「エピダウロス古代円形劇場」(B.C.4c)に能舞台を作り、人間国宝の能楽師、梅若玄洋が能を舞いました。
演目は、叙事詩「オデュッセイア」より「ネキア」をアレンジした新作「冥府行」。

演出家のギリシャ人と演者の日本人とのやりとりも興味深いものでした。
文化や表現の違いを、議論を繰り返し、距離を埋めていきます。
やっとたどりついた本番、能独特の謡、囃子が、蝋燭が灯る石の劇場で始まりました。

ほとんどギリシャ人だったという観客の反応はどんなだったでしょう。
それまでも、ギリシャには関心がありましたが、固有の場所に興味をもったのはこの時でした。
放映後、東京千駄ヶ谷の国立能楽堂でも再演され鑑賞しましたが、私は、”エピダウロス”への道も探し始めました。


いろいろな縁でギリシャへの旅が思ったより早く実現し、翌年、私は、ギリシャを巡る旅に参加しました。

そして、ペロポネソス半島東部にあるエピダウロスを訪ねることができました。
エピダウロスは、アポロンの息子、医術の神アスクレピオスの聖地とされ、医療施設の遺跡や競技場が点在する大きな遺跡です。

テレビでは見えなかった古代都市の生活や役割を、自分の足で辿ることで実感できたと思います。


平らな道を歩いてたどり着いた古代円形劇場は、想像より大きく完全な形をほぼ残したエピダウロスの主役として存在し、古代都市の規模や繁栄が想像できます。
劇場の中央で手をたたき、素晴らしい音響効果に驚きながら、上を見上げると雲一つない青い空、そして遠方の山に続く木々の緑だけが劇場を囲んでいました。

日本の能にも長い歴史がありますが、観阿弥、世阿弥親子により今のような様式に完成されたのは14世紀です。
陽があたっていたのか、少しも冷たくない石の椅子に腰かけてみました。
ここで繰り広げられた能の舞台を想像してみました。

笛や鼓、太鼓が奏でるお囃子は、確実に最上段まで届いて、ギリシャの人達に驚きや感動を伝えたはずです。

紀元前4世紀に積み上げられた古代円形劇場には、懐深く文化も旅人も受け入れてくれるおおらかさがありました。

 

このようなことがきっかけになり、ここ数年、ギリシャの遺跡を訪ねています。
印象深い場所を、適宜ご紹介していこうと思っています。
 

  

 

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